インドネシアの伝統的なスパは現在まで何代も受け継がれ、現代的な方法も取り入れられ世界人気のスパとなっている。
バケラトリートメントは、北スラウェシの首都マナド周辺に暮らすミナハサ族の最も特徴的な点だ。このトリートメントは特に産後の女性の健康的な体形維持のために利用されている。
バケラは女性の生殖器に特化したトリートメントである。ミナハサンの人々がバカンシングと呼ぶ、出産を経て緩くなった産道をきつくする療法だ。
バケラトリートメントでは溜まった血液や不要な物質を排出させる。また筋肉を締め付けたり緩めたりすることで生まれたばかりの赤ん坊を健康的な状態で世話できるように行われている。
バケラでは２０もの自然の薬草を使い、その４０パーセントはクローブの葉、バナナの葉、マンゴーの葉、ベテルの葉、バラカイの葉など多様な葉を利用している。これらの成分は体の免疫を高め、痛みを緩和し、リラックスした気持ちにさせ、細菌を取り除く。
このトリートメントは多種のハーブやアロマ成分も含み、オレンジの葉、シナモン、ガーリック、ナツメグなどが使われている。さらに、レモンやグアバの葉は体温を高めるといわれている。これらのフルーツ、花、葉、根などの材料はすべて一度茹でられ、石は赤くなるまで焼かれる。
バケラを受ける女性は、一枚の布で覆われた椅子の上に座り、成分の溶け込んだ液体が入ったポットを椅子の足元にセットし、焼かれた石は椅子の前に置かれる。その液体を石に注ぐことで蒸気が発生し、蒸気に含まれた成分で体全体を温め、アロマのいい香りに包まれる。この過程は３０分程度行われる。
